2000,桜桃忌レポート


2000/6/19 なんと快晴でした。
ちょっとピンとこない。 あじさいが泣いてるよ
禅林寺には朝一番で行って、太宰にある報告をする。
14時から読経。すごい人だかり
作家の猪瀬直樹氏も来ていた。(週刊ポストで太宰関連の連載あり)
その後、お堂みたいなところで講話あり。
「なにか質問のある方」というところで、どこかのおじいちゃんがマイクを握った。
「それ、質問ちゃうやーん」といった長いお話しだったけど、
やっぱ太宰の話。朝礼を思い出さずに済んだ。 というか、嬉しかった。
もうけっこうヨボヨボなのに、マイク握るとしゃんとして、太宰文學のすばらしさについて
えんえんと語る人が、この日この場所に来てたことに。
ちょっと前までは、太宰のことを知る人、ゆかりのある作家さんが雨の中三鷹まで足を運んで
太宰の話をしてくれたらしいけど、最近はもうそういうことはないようです。
その講堂で海月ちゃんを見つける。その細い手には太宰関係らしき?資料のぶあついコピーの入ったクリアファイル、
「本の街神田」の手提げ袋、長いスカート、魅力的なしぐさ、あいかわらずかわいらしき人。
ほんの2,3分しか近くにいなかったけど、その姿は強烈な印象を残したよ。というか物語っていた。
わざわざ東京まできて良かった・・と心から思う。

マッチさん引率で桜桃忌の三鷹をめぐる。 女性は私一人だけだったので少し緊張
「朝」「犯人」「十二月八日」を前日読んだ。 「おさん」だけは、後で読んだ。
「これらの作品のゆかりの場所をめぐる」と、マッチさんが予告してくださってたので
それぞれの場所が、実にしっとりとよく沁みた。
仕事跡地、今では、更地やマンションになってしまってる。千草跡「ベル荘」って家賃いくらだろ?
太宰がよく手紙を出したという三鷹郵便局、すしを食べたらしい美登里家鮨、
「早速、瓶を集めて伊勢元に買いに行く」という「十二月八日」の一行に出てきた
伊勢元酒店、このあたりの空気は、店の入り口の取っ手は、太宰の特徴のある?咳、(ほんとにそんな咳をしたかは
わからないけど)おぼえてるのかな?
さまざまな思いをめぐらせながら歩き、自分がすごくリラックスしてるのに気がつく。
本来、こういうことが好きなのです。 文學は、自分に向いてる。そう思う。
これからもずっとこんな旅を続けていくのだろうな、と・・
って言ったら、骨身削って研究とはっぺう重ねてる院生の方とかに申し訳ないのですけど・・
みたか井心亭の百日紅は、やはりもはや他人ではない。 今年もなでなで、やりました。
&去年と同じように「チャーミング」と言わせました。(笑)
(数年前、ここを通った時、なぜか工事のおじさんに「これはこれはチャーミングなおじょうさん」
と言われたことがあって、太宰の家跡に近いことから、天からの声だと信じてやまない夢子な私であった)
夏、ここに来たことがあるのだけど、もうそれはそれはきれいなお花が咲くのです。
万助橋、入水地点と思われた移転、このあたりは玉川上水を沿って歩く。
今じゃ、ゆるやかすぎる川の流れ、当初は、人お呑み込むほどだったと思えないくらい。
地元の奥さんが、子供と散歩中、マッチさんの説明を興味深く聞いていた。
すごくきれいな女性。 子供さん(男の子)に、なんか説明してあげてた風
いい光景だった。 彼は、三鷹で大きくなってくのかな
そして、陸橋。
ここ、大好きな場所です。 そこだけ昭和の風景そのまんま、ってかんじなんです。
昨年まわっててすごく感動して、また絶対行きたいと思ってた。
夕焼けの時刻なんてすごくきれいなんだろうな
三鷹めぐりはこれでおわり。 忙しい中プリントを用意したり、雑学を盛り込んだ説明ぶりが
素敵だったマッチさんに感謝します。
そして飲み会へ。

昨年の桜桃忌オフ、それは私にとって大きな出来事でした。
生れて初めての「オフ会」でもあったわけだけど、
すごく楽しくて、帰ってからもしばらく雨降ると思い出してためいきついたりして・・
太宰のこと好きな人達が集まって、お酒飲んで、盛り上がって。
波長が合う、ってほんとに心地いいな って思った。 行く前は、2回目は、ちょっと熱さめるのかな?
って思ってたけど、昨年と同じくらい、すごくいい時間を過ごせて大満足。
飲み会の途中も、化粧室とか行って、ふと一息ついて「ああ、最高に楽しい!」って鏡見て思ったくらい
月並な言葉だけど、ネットして良かったことって、第一に人との出会いだと心から思ってます。
ご一緒したみなさん、またお会いできる日を楽しみにしています。その日までどうかお元気で・・
あ、私は絶対メガネかけてない方がいいと思うよ>某R氏

翌日、念願の「バールパン」に連れて行ってもらえることに!
「今日は銀座でろくじ♪」なんて鼻歌を朝から何回も歌ってしまった。。
くまきちさんが、19日の飲み会の時に発案してくださり、実現しました。
遠方組の私とRRさんへの気使い、感謝しています。
ソニービルで待ち合わせをして徒歩2,3分で到着した気がします。
突然目の前にあの看板が迫って、「うわー、これかー」と大感激。
ドアを開けて、地下への階段を降りると、そこに伝説のバーが、ちゃんと存在しました。
私たちが一番のりのようで、例の奥の席へ
太宰、織田作之助、安吾の写真や、本が飾ってありました。
「きたでー」って実感が次第に湧いてくる。
御注文は? といわれて「何か甘くて飲みやすいものを」とお願いすると
「チャーリーチャップリンというのがありますが、それでよろしいですか?」
とウエイターさん。「はい」と答える。
おつまみは、なぜかきゅうり。 銀座のきゅうりは、ちょっとすましていたけどうまかったさ
チャーリーチャップリン、おいしかったです。 あれならけっこういけるかも・・って思った。
次もきっと注文するでしょう。 酔ってみたいな。。
ウエイターは6,7人いた気がする。 私たちの次のお客さん、学生風の男性がひとりで入ってきて
堂々と座って「モスコミュール」と言った。 なんかしびれたな
その後、「マッチください」とも言ってた。
思わずはなしかけたくなるようないい雰囲気の声だった
「2000年の桜桃忌のつぎの日にルパンへ?僕も 行ってたよ」なんて
いつかどこかで太宰話できるといいな・・とか非現実的なこと思う。 だって銀座でしちじ♪だもん
次第に席がパンパンになっていく サラリーマンの男性2人組み、ってパターンが多い。
やはり6/20。 太宰の話題してる風な声が飛び交ってる。
「マスター、昨日桜桃忌? ごめん」っていう意味不明な会話が非常に気になったが・・
でもなにより、あの場所でゆっくりとお酒飲みながら話できた時間、良かったなー
いろいろと、飲み会ではできないような深い話もできたので
私は煙草を吸わないけど、こういう時に吸う煙草、っておいしいのだろな
と想像した。 どお?
ルパンを出てからマッチをもらうことを忘れてたことに気が付く。
すると、くまきちさん、「もらってくる」と言ってスターっと再び階段を降りてく。
うすら闇の中に浮かぶ「ルパン」の看板と、その後ろ姿はとっても絵になっていて、
私が林忠彦だったらと間違いなくシャッター押してたな、と思った。
その後食べたケーキもとても美味しく、しあわせでした。
ほんとに、いろいろありがとうございました。

そうして桜桃忌は終わった
いつか三鷹に住む。の決心ならとっくにしてるけど
ますます強まったかな
そういうのって、ちょっと違うんじゃないの?って
思う人には思わせといて、
住みたい所に住んだもの勝ちでしょ
「住んだもの勝ち」であって「言ったもん勝ち」とは違うからね
ちゃんと頑張りますよ
明日も働くぞ♪